2016年9月に行われた『Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN』のページです。
2016 9.17 sat. 横浜赤レンガ野外特設ステージ


〈Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2016〉で特別な体験ができる3つの理由 vol.1>>

text = Toshiya Oguma

 

3. 今年の出演アクトもヴァラエティーに富んだ実力派揃い

昨年のラインナップが完璧すぎたので、2年目の今年も同じテンションで開催できるのか若干心配だった。しかし蓋を開けてみれば、先述した運営理念を踏襲しつつ、特にエンターテインメント性においては前年すら上回りそうな顔ぶれが揃っている。

ジャズ・サイドで見逃せないのは2人の大ヴェテランだ。御年73歳のジョージ・ベンソンといえば、ウェス・モンゴメリー譲りのオクターヴ奏法と、アーバンで滑らかなヴォーカルが代名詞。ソウル/AOR畑でも愛されている彼が、ギターと歌でメロウな浜風を運んでくれるはずだ。耳馴染みの良いスムースな演奏は、シティー・ポップに親しむ若い世代にも新鮮に響くのではないか。

そして、80年代のマイルス・デイヴィスを支えたカリスマ・ベーシストのマーカス・ミラーは、プリンスと同い年(1959年生まれ)だが、2015年の近作『Afrodeezia』でグラスパーやレイラ・ハサウェイ、チャックD(パブリック・エナミー)をゲストに迎え入れたり、ビヨンセの話題作『Lemonade』(2016年)に参加するなど、現在も最前線で活躍している。唯一無二のベース・プレイから生まれるグルーヴは、やはりフェスでこそ体感したい。

 

 

 

さらに今年もニューカマーが充実している。UKマンチェスター出身のピアノ・トリオ、ゴーゴー・ペンギンは今年4月の初来日公演をソールド・アウトに。エレクトロニック・ミュージックの方法論をアコースティック編成に置き換え、精密機械の如き緻密さと、人力ゆえのダイナミズムを両立させた演奏でフロアを大いに沸かせていた。新しい感性の台頭を、ぜひ自身の目で確かめてほしい。
★タワーレコード音楽サイトMikikiでのインタビュー
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/10705

また、スティーヴィー・ワンダーの後押しもあり、2015年のアルバム『Cheers To The Fall』でメジャー・デビューを飾ったアンドラ・デイは今回が初来日。ビリー・ホリデイやニーナ・シモン、あるいはエイミー・ワインハウスやアデルに通じるヴィンテージな雰囲気を纏った、ジャジーでソウルフルな歌声を披露してくれることだろう。その音楽性と同様に、レトロな趣のルックスにも注目したい。

 

 

 

今年の〈BNFJ〉における最大のサプライズは、〈クイーン・オブ・ソウル〉の異名を持つMISIAと、世界に誇る日本人トランぺッター・黒田卓也による共演だろう。どのようなステージになるのか現時点では未知数だが、両者の間に音楽的な接点を見い出すことは難しくない(詳しくは特集の第2回以降で)。黒田は9月2日にニュー・アルバム『ジグザガー』のリリースを控えており、期待は膨らむばかりだ。

 

 

 

そして、ヘッドライナーを務めるのはアース・ウインド&ファイア。今年2月にリーダーのモーリス・ホワイトが他界したものの、ライヴ・バンドとしては何度目かの黄金時代を迎えており、2013年に〈SUMMER SONIC〉に出演した際も、“September”や“Boogie Wonderland”など大ヒット曲を連発し、会場中にディスコ・フィーヴァーを巻き起こしていたのは記憶に新しいところ。ファンク、ソウルと共にジャズをルーツに持つ、百戦錬磨のスーパー・バンドが大興奮のフィナーレに導いてくれるはずだ。

 

 

thisis_our_music

さらに、今年は初の試みとして、〈ジャズの今、ジャズの未来〉をテーマに、ホット・サーディンズ、Yasei Collective、Ema with セサル・ロペス、RM jazz legacy、DJ大塚広子という気鋭の5組が登場する〈THIS IS OUR MUSIC powered by MINI〉が赤レンガ倉庫広場内で開催。こちらのステージは観覧無料エリアにあるので、チケットがなくてもライヴを楽しむことができる。

また、開催前日の9月16日(金)には〈BNJF〉の前夜祭イヴェントがモーション・ブルー・ヨコハマで行われることも決定しており、英米の現代ジャズ勢とも共振するインドネシアの4人組、トゥモロー・ピープル・アンサンブルのライヴに加えて、ゲストも登場する予定。〈BNJF〉のチケットがあれば入場無料なので、ぜひ足を運んでみてほしい。

 

 


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